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2022.07.04

【レポート】第4回座談会〜「プロジェクト関係人口の変化」はじめの1年と、次の広がり

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みんなのすながわプロジェクト実行委員事務局です。

「わたしがつくるみんなの砂川」をテーマに、シロが主体となってスタートした、みんなのすながわプロジェクトに関する情報をお伝えしていきます。
「プロジェクト関係人口の変化」-はじめの1年と次の広がり-をテーマに、2022年4月19日(火)第4回オンライン座談会を開催いたしました。

登壇メンバーは、実行委員長の今井浩恵、実行委員長代行の多比良和伸、副実行委員長の望月亜希子、ファシリテーターの内田友紀さん。この他に、プロボノスタッフや市民の方も登場です。

ファシリテーター・内田友紀(以下、内田)さん:テーマはプロジェクトの関係人口の変化についてです。「わたしがつくるみんなの砂川」を合言葉に2021年にスタートし、現在はさまざまな部会が動き出しています。

副実行委員長・望月亜希子(以下、望月):プロジェクトの関係人口が増えて、進化しています。
プロジェクトの創世期から現在・未来までを見ていきましょう。

組織図からコミュティの変化を見る

望月2021年当初は、4人からプロジェクトが始まりました。
第1回ワークショップは対面で、実行委員会も発足し、専門家チーム、砂川市外の様々な職業や年齢の方にご参加していただきました。
現在のワークショップから、工場を起点に活動が広がり、部会が生まれました。
Web部会のように役割的な部会もあれば、雪部会、子どもサポーター部会といった活動をベースとした部会も発生し、人数が増えて複雑な組織図に。
未来には財務や法務といったインフラづくりのための分野も増やしたいと考えています。

実行委員長代行・多比良(以下、多比良):最初は何度見ても寂しい。
様々な当時の課題をぶつけたところからスタートした。紆余曲折ありましたね。

実行委員長・今井浩恵(以下、今井):少ない人数でも、本気でやればどんどん大きくなるということがわかります。ワークショップ外でも関わってくれる方や、賛同してくれている人が増えている。


内田:リアルでの開催が難しくなり、Zoomを導入するという急展開があって、場所を超えた皆さんが参加できるベースができましたね。

今井:あの決断で継続できた。言い訳無しにやれる方法を考えていけた。

ターニングポイントになった言葉
キーパーソン「長岡さん」登場!

内田:コンセプトを作っていくにあたり、地元でのキーパーソンとなった長岡さんの登場です。
長岡さんがいるかいないかで、質が全く変わりました。

今井:キーパーソンになろうとは思っていなくて、結果としてなっていましたよね。

長岡さん(以下、長岡):生まれは砂川近くの歌志内で、砂川で結婚し子育てして30年近くになります。職場も砂川です。今井さんとは友達ですが、住民説明会に声をかけられたわけではなく、行くかどうかは直前まで決めていませんでした。

ターニングポイントとなった長岡さんの言葉を振り返りながら
① 親も子育てを卒業する時期が来る。そうするとまた人と会える場所が必要になる。

内田:20~30代のメンバーから、ひとりになれる場所がないという意見があり、大人にも居場所が必要という気づきがあった時にいただいた言葉ですね。

長岡:子育ての真っ最中だったら、この言葉は出なかったと思う。年代によって考え方は違う、子育てを卒業して別の繋がりを求める世代になった。ここからまた老いていく時にどんな変化があるかわからない。みんな拠りどころ求めていた。

②その場所が一日中使えることが大事。どんな世代の人にとっても過ごせる場であることが必要。

長岡:シロが作る施設がずっと続いてほしかったので、どんな時にも全部の時間をうまく使えるような施設になってほしいと思いました。長く使えて人が集えることが、ずっと先まで続くのが理想です。

内田:箱ものになっては勿体ないともおっしゃっていましたね。
ずっと先まで使えるというのは、ターゲットや用途を絞らないということでしょうか。

長岡:5年前にはコロナがくるとは思っていなかった。この先にまた何があるかわからない。
形をかえたり、柔軟性があれば、いろんな方がたずさわっているので、繋がっていけると思う。

③まちの外からの訪問者が増えると、住民は行きづらくなるのでは?

内田:私たちにとっては衝撃的だった一言です。
世界中から…と掲げているけれど、まちの人の為にも砂川の存在を育てていきたいと願っている中で、どういう背景で発言されたのですか?

長岡:シロカフェに誘われたときに、観光客が多くて煌びやかな格好で来ているのを見ると、気軽に行けないという気持ちになった。その後にみんなでいろいろ話して、そうではないのかなと感じた。
時間をかえたり、土日は観光客が多ければ違う日にとか…まずは市民にも行ってもらうことが大事なのだと思えた。

多比良:結果的に、市民としてたくさんの人が砂川に来てくれるのを見るのは誇りだよね。楽しみだよね。というところに行きついて自分たちで納得しましたね。

内田:オンラインになって、いろいろな方が参加するようになったのですが、本音を聞くためにも、市民だけの会を急遽やろうとなった。

今井:すながわ市民の会をやって良かった。いったん吐き出したかった。迎える側も迎えられる側もどうしたら良いのかという話は、継続していくことになると思う。めちゃくちゃいい気付きになりました。この発言がなかったら、市民が行かない誰のためかわからない施設になってしまったと思う。

長岡:発言するとわかりあえるし、気付きもあると思います。知らないことも、たくさんここで教わりました。敷居が高くないので、いろんな方が参加していただいたら良いと思います。

今井:思ったままを言ってくれたから響いたのだと思います。だからこそ「子ども」から「子どもも大人も」に変遷できた。シロカフェが行きにくいと思われていたことにも向き合えた。

部会からさまざまなプロジェクトが動き出した

内田:望月さん、多比良さん部会の紹介をお願いします。

望月:「在来種プロジェクト」
砂川市の在来種を増やし守っていく、植物を通してSDGsを学ぶプロジェクト。
2021年10月に在来種の種を植える「たねワークショップ」
2022年4月に在来種を大切に育てていく、「はらっぱワークショップ」を開催します。


「雪部会」
地元の経営者の櫻井さんが先導して、10~20代の若手を中心に活動しています。
「みんなの工場」で、冬の間に楽しいことができないか考えています。
雪に慣れていない道外の方こそ斬新なアイデアがあるかもしれませんので、ぜひご参加ください。

「子どもサポーター部会」
メンバーは現役の校長先生や小学校の先生、大学生や中学生3年生が参加。近隣の國學院短大生も。メインとして放課後の子どもたちの居場所を作っています。
「子どもたちが’本当の社会で幸せに生きる力’を育む」を目的としています。今後、体験会も開催。

多比良:「市内周遊バス部会」
生活交通はあっても、観光地と回遊するような交通が薄い状況。砂川を目的とした、どこに何があるのか知りたくて来た人に対しての、情報発信と移動手段が確立されていないところから、協議会的な形で発足しています。ワークショップから出た「足がない」という意見から生まれました。

望月:「web&映像部会」
webは髙間さんが一手に担い、公式サイトを客観的にみていただき改修してもらっています。
映像部会は髙間さんが率いるプロボノメンバーで構成。ワークショップのダイジェスト映像を編集していて、YouTubeにUPしてくれています。

「PR部会」
イベントをテキストに起こしていただいています。コラムの他にジャーナルも進行中。過去を振り返りながら、点と点を繋いでどんな歩みをしてきたかを読み物にしていく予定です。

プロボノメンバーの登場

高間さん(以下、高間):札幌で映像制作会社の代表をやっています。
映像やWebとかは、優秀な人は東京に行かないと面白い仕事がなくて、成長するなら東京に行かないと難しかった。北海道に住んだまま面白い仕事や成長したいと思う人もいると思い、北海道のクリエイターを後押しするために会社を作った。シロがまちづくりを砂川でやると知り、協力できるかもと思い、飛び込んだら今井さんに出会えた。

今井:東京にいるシロには興味がない、戻ってきたシロさんだからやりたいと思った…と、一番最初に言ってくれたので、信頼できると思いました。

菊池さん(以下、菊池):出身も在住も東京です。
文化芸術を通した地域活性化に興味があり、今はフリーランスでアート施設や芸術祭の運営に携わっています。プロボノとしては、PR部会でワークショップの記事の作成や、デザイナーを紹介したりしています。まちづくりに興味があって直島に行っていましたが、東京に戻ってからはまちづくりになかなか関われなかった。市民から盛り上げていくまちづくりが大切だが、難しいとも感じていた。HPなどで、みんなで作りあげることや、みんなの意見を吸い上げていることを知り興味を持った。

宮坂さん(以下、宮坂):旭川の大学生です。
子どもサポーター部会のプロボノとして参加しています。
髙間さんが言っていたように、北海道では都会でやっているような面白いことが学びとしてできない。シロが砂川でやるということを聞いて、それならできると思った。北海道では体験できないようなこと、参加してく中での出会いの学び、組織運営もみていきたいと思っています。学校教育がこのままでいいのかと思っていて、ユースセンターという10代若者の居場所を目指している自分の想いともマッチしました。


望月:宮坂さんの軸となっている包括的性教育を、知り合って初めてプレゼンを聞いたときに泣きそうになった。本気でやっている姿に心を打たれたのが入口。
想いの強さと、物事を推し進める力があるので助けられています。

内田:プロジェクトに参加して、面白いところ、難しいところはありますか?

髙間:お金が絡む仕事は、期限などによってクオリティを妥協しなければいけない。プロジェクトは絶対的な期限がないので、時間をかけてクオリティを求めることができる。自分たちが主体として納得できるところまで作れる。クライアントワークじゃないところの面白さがあります。
ライスワークとライフワーク。生きる喜びのための仕事をやった方が、人生も楽しくなる。
みんなのすながわプロジェクトというフィルターを通して、ライフワークを育てることができるのではないかと思う。


菊池:ワークショップの映像とかから、プロセスを経て工場施設を作っていく様子を知ることは学びになる。逆に言うと、自分があまりワークショップに参加できていない。
当事者ではなく傍観者的な感じで、まちづくりにたずさわっている感覚がまだ薄い。

今井:
発言も含めて、もっと入り込んでもらえるとありがたい。どこまでも関わってくれていいのが、このプロジェクト。

多比良:利益とかを考えると、ゴールを決めて、どうやって早くたどり着けるかが必要になってくる。そうしないことで、お金や経済ではない部分を吸収できるチャンスがある。

今井:
 ゴールを設定していないので、ここで終わり…ということが無いから伝えにくい。
いろんな意見があって、いろんな方向に行くことを楽しんでほしいし、それをキャッチアップしてくれるとありがたい。プロボノのみなさんと集まって会話をする時間が必要だと思った。そういう場を作って報告していくと良いかも。

内田:参加を迷っている人に一言お願いします。

髙間:僕は迷ったら、とりあえず進むタイプ。入ってみてちょっと違っていた…でも良いと思う。試してみないとわからない世界もある。大変なこともあるけど、やる理由を探して参加してみると良いと思う。

今井:髙間さんが10人くらいのプロボノを集めてくれて映像部会が出来ている。 めちゃめちゃ完成度を上げてくれている。 本気で人を育てたいというのがわかる。‎

髙間:プロボノのレベルもありますが、全員がプロフェッショナルじゃなくて良いと思っている。人として、僕がメンバーの面倒をみなければと思っています。

改めて、未来の組織図を眺めてみよう

望月:既存の部会メンバーも募集中ですが、チラシポスター配布などの実行部隊としての地元でのマンパワーを担ってくれる応援団も募集中です。他にも財務や法務、プロジェクトマネージャーとしてサポートしていただける方がいるとありがたいです。

質問コーナー

‎Q:‎‎私たちの地域では部会などが発足しても手弁当が続くと空中分解になりがちです。 自走していくためのコツ等がありますか? 皆さんの関係性が素晴らしく感じましたが普段からコミュニケーションの熟成した土壌がございますか? お祭りとか? 自治会とか? ‎

多比良:紆余曲折してきたので難しさはあります。どこに何を求めるかの延長線上に、プロジェクトが有るか無いかだと思います。特に今はコミュニケーションの取り方が難しい。何のために何をするかという、それぞれの落とし込み。

今井:シロがいるのが大きい。それほど露出が高くないのに、関心を持ってくれるのは感度が高い人なので、シロも仕事をお願いしたくなる。
シロでYouTubeはやって無かったが、高間さんにお勧めされた。
菊池さんからはいろんなアーティストを紹介してもらった。シロにとってもプラスになっていて、違う化学変化を楽しみにしている。プロジェクトをやっていて良かったと思える。

内田:プロジェクトに参加することでいろんなルートが発生する。いろんな繋がりが発生して、プロジェクトを超えたところで、それぞれにとっての意味が出ている。

多比良:まだ一年なので、これからも見届けていただけたらと思います。

次回、座談会は7月26日を予定しております。
お申し込みはデジタルチケットサイト「PassMarket」へ


【映像アーカイブ】第4回座談会〜「プロジェクト関係人口の変化」はじめの1年と次の広がり


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